「…悪いと思ったらなんかねぇのかよ」

「なんかって?」

「新婚と言ったらあれだろ。ごめんねのキ…」

「あ、パンは焼けたよ!インスタントのスープも出来た!目玉焼きは卵が割れなくて作れなかったよ。やっぱ利き手が使えないと不便だわ」

「華乃ちゃん?それより…」

「起きたなら顔洗っておいでよ。わたし先に食べちゃうよ」


…聞けっつーの。


一つ大きくあくびをし、ベッドから降りる。顔を洗いブランチに近い朝食を食べ終わると、華乃を休ませ食器を洗う。


「わたしの分の洗濯は終わってるから」


ソファーに座り、顔だけ俺の方に向ける華乃。


「洗濯は普通に出来たのか?」

「洗濯くらいは出来るよ。掃除機もかけ終わった」

「どんだけ早くから起きてんだよ」

「目が覚めちゃったの。でも就活する必要もなくなったから暇だなぁ」

「どっか出かけるか?」

「え、どこに?」

「行きたいとこねぇのかよ」

「ん……、ない。というか龍成と行きたいところがない」

「はあ?ほんっと可愛くねぇな」

「それより龍成っていっぱい遊んでたんでしょ?わたしを楽しませてよ!チャラ男の女の子の楽しませ方、教えて!」

「はあ?」


なんだそりゃ。