「…そういえば初めて龍成と会った時言ってたね。わたしを見て大和撫子じゃないって。あれ、やっぱりお姉ちゃんのことだったんだ」

「だろうな。ていうか俺、そんなこと言ったか？」


完璧な女…。

そりゃわたしを見て龍成の両親もあんな態度になるわ。お姉ちゃんの妹だから似てるとでも思って、わたしを龍成と結婚させたんだ。ここまで違うと驚くのも無理ないもんね。

きっとわたしのこと、基、わたしの存在自体疎んでるんだろうな。


「…龍成的にはわたしと離婚するのが目的だったし、計画通りいくから良かったんじゃない？」


わたし、何気に傷ついてる？

思うように明るく振る舞えない。

お姉ちゃんと比べられるのなんていつものことなのに…。


「俺の目的は会社を辞めること。筋違いなこと言うな」

「筋違いって…。会社は辞められそうなの？」

「辞められそうもなにも辞めるっつーの。その為に今までやってきたんだから。──なぁ、ちょっと面白い話があるんだよ」

「え、なにいきなり」


面白い話？