「あれっ、華乃姉、今日もバイト?」


玄関を出ると今度は妹に遭遇。


「來乃(きの)、学校は?」

「だるいから帰って来ちゃった」

「だるいって…。義務教育なんだからちゃんと受けな」

「いいの、あたしは華乃姉みたく頭よくないから。あ、彼氏から電話だ。じゃね、行ってらっしゃ~い」


何が彼氏…。


妹の來乃はわたしよりはお姉ちゃんに似てる。

可愛らしい容姿、小柄で猫みたいに掴みどころがない明るい性格。

どうして三人の中でわたしだけ出来損ないなんだろう。見た目も中身も。

毎日毎日、数え切れないほど思った。