「見たくて見たんじゃないんで。真奈美ちゃんはあんたの為に頑張ったんだから、次は孝志くんが頑張る番じゃないんですか~?」

「…ちっ」


──は?舌打ちって、おい。


「立場がわかってねぇな。もうこうなった時点でクビは覚悟できてるんだろ?あの動画、社員じゃなくて親父に直接見せてやろうか」

「…専務はあんたのスキャンダルを集めてる。最終的には社長の解任を狙ってんだよ」

「……は?俺のスキャンダルで、なんで社長の解任に繋がるんだよ」

「あんたは何もわかっちゃいない。今まであんたが何度も週刊誌に載る度に会社に汚名がついてるんだよ。イタ電やクレームも、契約を左右することだってあった。それはあんたの入社前の話。入社した今、それも結婚してからのスキャンダルがあったら、確実に会社はダメージを喰らう。社長の責任問題にもなる。それを狙ってんだよ」


……なんだそれ。


「俺が遊んだからってなんで会社に影響が出るんだよ。仕事でなにかやらかしたわけじゃねぇのに、プライベートが派手なヤツはいくらでもいるだろ」