「麻友ちゃんさ、何を見て言ってんの?」

「──え?」


社長がどうのより、やっぱ人としてムカついてるのか。

見た目だけで人の全てを決め付けるなんて、我が親ながら馬鹿としか言いようがない。


俺、結構まともな感覚してんだな。


麻友ちゃんに止められない怒りを覚える。少しは冷静になれ、龍成。


「見た目が綺麗な女なんていくらでもいる。でも華乃は見た目じゃない。いつも思う以上に俺を支えてくれてる。何も知らないくせに、よくそれだけで判断できるな。麻友ちゃん、そんな低い女だったか?」

「龍成…」

「見た目だけの常識がない女の方が、俺に相応しいとでも思ってんの?」

「違うわ!龍成、わたしは…」

「悪いけど俺は華乃と結婚できて良かったと思ってる。麻友ちゃんや親父が華乃の容姿を気に入らなくても、俺には華乃しかいない」