「今は会えない。忙しいんだよ。この間も言ったろ?落ち着いたら会いに行くから」

『ねぇ、あたし龍成にとってなに?あたしは龍成が誰よりも大切だよ』

「俺も同じだって。落ち着くまで待ってろよ」

『あたしこれでもかなり我慢してる。毎日会いたいのに、電話だって最近少なくなった』

「だから仕事なんだよ」  

『あたしもう無理。これ以上は待てない』

「…あ、そ。わかったわ、じゃあな」

『えっ、りゅ…』


電話を切り、勢い良くソファーに座り込む。


あーめんどくせぇ。んなマメに電話なんかできるかっての。

ちょっと前の俺ならしてたんだろうな。今は面倒だとしか思えなくなってきてる。

目の前の現実でいっぱいだからな。これが収まったらまた遊べばいいんだから、待てないだのなんだの言ってくるやつは皆切る。


俺の相手は他にいくらでもいる。


~♪♪♪


またかよ。やっぱ電源切っておこう。さっきからキリがねぇ。


携帯を手に取り電源を落とす。


前はこれが普通だったんだよな。面倒だなんて思うことがなかった。今がおかしいんだ。

こんなの本当の俺じゃねぇ。