そういえば昨日キスされたんだよね。今日はしてこないよね?

でもたかがキスとか言ってたし、それ以上のこととか…。もしされそうになったらフライパンで殴ってやる。


本当はあんなマンションより崇憲とここにいたいけど無理な話。崇憲がわたしを本気で好きでいてくれたら、何も迷うことなんてないのに。


「崇憲、飲みって何時?どこ?」

「八時に本町」

「八時からなの?」


なんか微妙な時間だな。


「七時からだけど俺は八時でいいわ。途中参加」

「あ、そ」


崇憲を送ってから真っ直ぐ迎えに行けばいいか。


──って、わたしあんたらの足じゃないんだけど。

男のくせになんてヤツらなの。それを普通のことのように受け入れてるわたしもわたしだけど。


なんかイラッとしてきた!よし、このままのテンションで言うぞ!


「ねぇ崇憲。わたし結婚したんだ」


テレビを見ながらゴロゴロしていた崇憲。どんな反応をする?


「珍しいな、お前がそんな冗談言うなんて」


テレビから視線を外さずに返してくる。

いきなりだもんね。仕方ない。


「や、冗談じゃないんだけど」

「誰と?てか、結婚してたらここに来れないだろ。もっとマシな嘘つけよ」


う、確かに。