わたしは本当にどうしようもない。

惚れた弱みなんてレベルじゃない、馬鹿な女。

こんなことしに来たんじゃないのに。結婚したって言いに来たのに。


「…わかったから離して。煙草買ってくる。あ、その前にシャワー浴びさせて」

「じゃ、俺も」

「いいから寝てなさいよ」

「眠くない」

「さっき寝るって言ってたでしょ」

「お前が寝るならな。お前がシャワー浴びるなら俺も浴びる」

「何ふざけたこと言ってんだか」


もうすっかり元通り。

わたし達はずっとこの繰り返しなんだろうな。


このループから抜け出す為に結婚したんだから、今日は絶対言わなきゃ。崇憲のことは変わらず好きだけど、好きでいちゃいけない人だって再確認したもの。


──それでも何となく言うタイミングを逃し、だらだらしているうちに夜になってしまった。携帯を見るとあいつからメッセージがきていた。


【九時に迎え、よろしく】


…そうだ、迎えに行かなきゃいけないんだ。

面倒くさいなぁ。勝手に帰ればいいのに。