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「麻友ちゃん、桜庭部長と会ってる?」

「会ってないわよ。お互い忙しいもの。お父様が帰って来てからね、ご挨拶等色々するのは」

「そうか」


今日も資料の山を読みながら、麻友ちゃんとあいつの親父の監視をする。


「社内報に載せるあなたの記事、あとで担当が取材に来るから。写真も今日でいいわね」

「え?写真?先に言えよ、何もセットしてねぇ」

「いいじゃない。週刊誌にはいつももっとひどく載ってるんだから」

「言うね」

「社内報に載ればマスコミにも知れ渡るから、素行には特に気をつけなさいね。もしかしたら今まで以上にマスコミに利用されるかもしれないから」

「なに言ってんだよ、俺ら今一番仲いい時なんだぞ。今日だって迎えに来てくれるし」

「それはわかってるけど一応ね。華乃さん、迎えに来てくれるの?それなら顔出してって伝えてちょうだい。わたしも会いたいわ」

「いいよ。早く帰って二人きりになりてぇし、麻友ちゃんだって忙しいだろ?今度ゆっくり時間ある時な」

「あらそう。ま、いいわ。それより華乃さんにも専用車、用意した方がいいかしら?次期社長夫人だし、華乃さんにも会社のことを勉強してもらいたいのよ」