「俺、お前だけなんて一言も言ってないけど」

「はあ?!まじ最低なんだけど!」

「俺に本気じゃなかったの?」

「あんたなんか本気じゃない!最低男!」

「いてっ」


彼女は去って行く。


蹴ることないだろ、まったく。女って奴は難しいな。


さて、行きますか。



「──龍成!」

「どうしたんだよ」

「あたし、やっぱり龍成がいないとだめなの!この間言ったこと撤回させて!」

「この間?」


…って、あの張り手されて消えろ言われたやつか。


「もうなにがあっても龍成から離れない!好きなの!」

「…俺も好きだよ」

「龍成…!」


目が赤くなるほど泣いて、何があったかは知らねぇけど俺が慰めてやるよ。