苗字が同じで家が隣、物心ついた時から一緒に居る俺の幼なじみは可愛い。

贔屓目なしに可愛い

昔は男だと思っていた


「おれ!」という一人称に負けん気の強い性格
あった頃は男だと思っていた。



初めて女だと気付いたのは小三の時
いつもの如く朝迎えに行くと幼馴染みが熱を出したとおばさんから言われた。
下校の際見舞いに行くと蒼が丁度着替えていた。
「ぎゃぁあああ!!!!!真の変態ぃいいー!!!!!!」
その日からしばらくはド変態野郎と呼ばれ続けた。


あれから7年高校1年になる俺達は未だに隣同士だ。


「おはようございまーす、桜田さん
相変わらず朝っぱらからご苦労なこって〜」

「お前は朝っぱらから呑気だな。ほら、行くぞ。」

中学に上がった頃、急激に可愛くなった蒼に焦った
何処かへ行ってしまうほどの人気が出て蒼が変わってしまうんじゃないかと。
でもこいつはそんなこと気にせずに男である俺と一緒に居た

丁度その頃だ、俺に彼女が出来始めたのは。
友達に言われたから作ってみたが、あまりいいものではなかった。
楽しくねえし、わがままだし香水くせーし
蒼はその頃から俺の事を桜田さんと苗字で呼ぶようになった、それまでの真呼びは無くなり少し寂しかったが仕方ないことだ
きっとすぐに蒼も彼氏を作り離れていくのだろう。

そう思っていたが、一向に蒼は彼氏など作る素振りもなく親父の一件以来きっと男が嫌なんだろうと決めつけ処理した


「ちょっと、桜田さん聞いてますぅ〜?ンな顔してねーで人の話を聞けよなぁー」

頬をふくらませてそんなこと言われたら聞かずにはいられない。

それでねーと話し始めるこいつは今じゃ学園一を噂される美女だ。