「あ、あははは…。
 
 誰かと思ったら
 ハルだぁ~…ははは;」


目の前には立ち尽くした
ハルがいたんだ。


どうしよう;
平常心、平常心…。


『あ、ハルって
 前言ってた愛奈の弟か!』


そんな私をよそに
勇介は状況を把握したようで
『あぁ~』と頷いていた。



『あ、えっと…――。
 はじめまして…?』


ハルは「?」を
浮かばせながら
勇介に一礼する。


「あ…ハル、
 この人はね――…っ、」


『“愛奈ねえ”と付き合ってる
 北山勇介です。

 よろしく。』


私の言葉を遮って
勇介は自己紹介をした。


ハルは一気に顔色が変わって
今にも叫びそうな
表情だったけど、
夜なので声を押し殺すのに
必死になっていた。