驚いた顔の君。


「お兄ちゃん!この前桃華を助けてくれたお姉ちゃんだよ!あの時はありがとう、お姉ちゃんっ。」


「え…あ、ううん!無事でよかったよ。」


目の前にいる春優君を意識しつつ、私は桃華ちゃんの頭を撫でる。


やっぱり春優君はいたんだ。
すごく嬉しい……。


「あれぇ?お姉ちゃん、なんで泣いてるの?何処か痛いの??」


桃華ちゃんにそう言われて、自分が涙を流している事に気付く。


「なに、どっか怪我してんの?」


「あっ…う、ううん、大丈夫!ちょっと目にゴミが…。」


私はベタな言い訳をして、服の袖で涙を拭う。


「そっか。…つーか、その制服、桜ヶ丘高校?」


「あっ、うん…。」


「へぇー。」


会話が途切れる。