「うん、なんか分かんないけど大丈夫。心配してくれてありがとう。」


「うん、後で話そうねっ!」


そう言うと香奈子は前に向き直った。
ホームルーム中、窓際の席の私は空を眺めながら、事故の事を思い出していた。


私が救ったっていう女の子、何処かで会った事がある気がするんだよね。でも、思い出せない。


お昼の時間。私は香奈子と一緒にお弁当を食べる。


「本当にほんとーに、大丈夫なの?」


「う、うん。医者には奇跡だって言われたよ。


「本当に奇跡だよねぇ〜!不思議っ!」


私は香奈子にも春優君の事を聞いてみる事にした。知ってる可能性もなくはないもんね?


「あのさ、香奈子は弥生春優って人知らない?」


「弥生春優…?知らない、その人誰なの?」


「ううん、なんでもないの!気にしないで?」


「そう?あっ、そういえばねっ━━━…!」