次の日、私は高校の入学式に向かった。
あの夢で一度経験したせいか、緊張感はあまりない。


それよりも、春優君の事をただの夢だとは思いたくなくて、最初に出逢った様に出逢えるんじゃないかと、少し期待していた。


学校の下駄箱で待ってみたけれど、そこにも君は現れなかった。


教室に入ると既に皆席に着いていて、教壇には先生が立っていた。


やばい…春優君の事ばかり考えてたら遅刻しちゃった。これじゃ、夢と同じだよ…。


静かに教室入った私に先生が気付く。


「おー?卯月未春か。事故にあったと聞いてるが大丈夫なのか?」


「あ、はい…大丈夫です。」


「それはよかった。席はそこだ。」


先生が指さした席に座ると香奈子が振り返る。


「未春、大丈夫?お見舞いに行ったら、重症で目が覚めないって言われて、すっごく心配してたんだよ?本当に何ともないの?」