「君は戻るんだ。元いた世界に…。」
「でも、私、死んじゃったし…。」
私の言葉の後に女の人は言った。
「大丈夫。私達が帰してあげる。」
「え……帰すって……?」
二人は何を言ってるの?言ってる意味が分からない。でも私はこの二人を知ってる。
そう、一度会っている。この場所も知ってる。ここは、あの伝説がある池。
そしてこの二人は━━━━…
「純恋鬼と蓮鬼……。」
女の人が純恋鬼、男の人が蓮鬼という名の鬼。
人ではない妖と呼ばれる存在。
「君はまだ生きなきゃだめだ。」
蓮鬼がそう言うと突然辺りにが真っ暗になった。私は真っ暗の中に座り込んでいた。
「え…ここはどこ…?」