泣かないで春優君。
私ね、春優君の優しい笑顔が大好きなんだ。
それに春優君を助けられてよかったよ。


色んな事が走馬灯のように駆け巡る。


お母さん達は仲直りしてくれるかな。香奈子と友達になれて楽しかったな。もうちょっと春優君のそばにいたかった。


これからこの世から居なくなるとか、あんまり実感なくて未練とか考えられないけど、強いて言えば、もう春優君と話せなくなる事が残念かな。


開いていた目は徐々に閉じて、視界が暗くなる。


「おい…目覚ませよっ…み、はるっ…!」


春優君の声が薄れていく意識の中で聞こえる。
あ…今春優君が私の名前を初めて呼んでくれた。


なんかすごく嬉しいな。


私の名前を呼び続けてる春優君の声が更に薄れて遠くなっていく。


そしてついに私の意識はふと消えた。