嫌な予感がした私は走って行った春優君の後を追った。
足が速い春優君を必死に追い掛ける。交差点で赤信号になり、春優君は歩道の手前で止まった。
やっと追い付けたと思ったその瞬間、春優君はすっと一歩前に出た。
それは一瞬の事だった━━……。
キキ━━━━━ッ!!
ドンッ!
中型トラックの激しいブレーキ音と鈍い音と共に人が宙を舞う。
駆け寄ると見覚えのあるグレーのパーカーと紺色のズボンを身につけた、ぐったりとした男の人が倒れていた。
男の人は春優君だった。
頭が真っ白になった私の耳に遠くから目覚ましの音が聞こえた。
暗い景色が更に暗くなっていき、ついには真っ暗になった。