いきなり名前を呼んで顔が熱くなる。弥生君も照れてるのか横を向く。


「あのさ…お前、あんま無理すんなよ。じゃーな。」


そう言うと弥生君は来た道を戻って行ってしまった。私は見えなくなるまで見送った。


家に入ると静かになっていて、ケンカは終わってるようだ。


私は音を立てないように階段を登って自分の部屋に入った。部屋着に着替えようと服を脱ぐ。


「あ、弥…春優…君のパーカー返しそびれた…。」


明日早く起きて洗濯して返そう。
そう思いながら服を畳んで机の上に置いた。


今日は幸せだったな、色々と。
具合悪かったのに、いつの間にか治ってる。


何より夢では最悪だった展開が現実ではいい方に変わった。夢は変えられないけど、現実なら自分次第で変わるんだ。


今日はどんな夢なんだろう。
私はゆっくりと眠りに落ちていった。