けれど、予想を反して、ほぼ同じ事を聞かれてしまった。


「…前も言ったけどお前さ、なんでいつも無理して笑うの?」


「え…あ、えっと、なんでだろ…。その方が楽だからかな。」


私、何言ってんだろう。こんな事言っても変わるわけないのに。


「それって逃げてるだけなんじゃねぇの?」


逃げてる…か。確かにそうなのかも…。
傷付くのが、傷付けるのが、怖くて逃げてるだけ。


「そうかも…。もっと強くならなきゃだよね…。でも、どうしたらいいか分かんないんだよ…。」


弱々しくなる自分の声。情けないな…私。


「そっか。…まだ帰んねぇの?」


流石にもうケンカ終わってるよね?なんか疲れたし、帰ろうかな。


「そろそろ帰ろうかな。」


私がそう言うと、弥生君は寄り掛かっていた柱から離れて言った。


「送ってく。」


「え…?いいの…?」