私は自分の席に座り、しばらくぼーっと窓の外を眺めていた。


青い空には所々に白い雲が浮かぶ。
今日もいい天気だなぁ。


視線を下に向けると校門が見える。制服を来た生徒達が次々と門をくぐって登校してくる。


数いる生徒の中で弥生君を見つけた。
弥生君ってブレザーの下にパーカー着てて、腰パンだし凄く着崩してるからすぐ分かるんだよね。


まだ4月で皆正しく着てるのに、一人だけ初日からあれだもん。そりゃあ目立つよ。


それにしても、こんなに早く来てるんだ。
なんか意外だな。


そんな事を考えていると肩をポンッと叩かれた。横を向くと香奈子が立っていた。


「あ、やっと気付いた!さっきから呼んでるのに全然気付かないんだもんっ!」


「あ、ごめん。おはよう、香奈子。」


「おはよう、未春!あ、そういえば!」


そういうと香奈子はカバンから一冊本を取り出した。


「じゃーん!これ読んだら、すっごく面白かったの!だから未春にも貸してあげようと思って!」