「実は…親が毎日ケンカばっかりしてて…嫌になって飛び出してきちゃったの。」


「そうか……でも、居るだけマシ。」


弥生君は寂しそうに空を見上げて呟いた。


「え……?」


もしかして…弥生君、両親いないのかな?


私が不思議そうに見ると、弥生君はそっぽを向いて言った。


「何でもない。」


「そっか…。」


きっとあんまり話したくない事なんだろうな。
そう察した私はいつもの笑顔を作った。


「その笑顔、見せんなって言っただろ。…前も言ったけどお前さ、なんでいつも無理して笑うの?」


ちょっと前にも学校で同じ様な事を言われた。