「ここで時間潰そう…。」
少し錆びたブランコに座り軽く地面を蹴る。
ゆったり揺れながら空を見上げる。小さくも夜空に輝く星達が、今は眩しく見える。
「何やってるんだろう、私…。」
私が呟いたその時、後ろの茂みからガサガサと音がした。驚いた私はビクッと肩を震わす。
ドキドキしながら茂みを見ていると、急にがサッという音と共に人影が現れた。
「え…弥生君っ…!?」
そこには両手で子猫を抱いている弥生君がいた。
「卯月…?お前、こんな所で何やってんの?」
「いや…家に居るのが嫌で…。」
「へぇ…なんかあった?」
弥生君は子猫を地面に降ろすと、ブランコの支えの柱に寄りかかった。