「…未春、今はお父さんの話、あんまりしないでくれない?」


お母さんの言葉に一瞬耳を疑った。だって、前は三人でよく笑いあっていたんだもん。


私は心のどこかで思ってた。きっといつか、元に戻ってくれるんじゃないかって。


でも少し前から薄々感じていた二人の間の亀裂は知らない内に広がっていたんだ……。


本音を言えば前みたいに戻って欲しい。早く仲直りしてって言いたい。でも、笑顔が消えたお母さんの顔を見て、私は言えなかった。


「……ごめん。」


その後、他愛のない事をお母さんと話しながらご飯を食べた。触ったら今にも爆発してしまいそうな腫れ物を避けるように、張り付いた笑顔で笑いながら。


そんな中で食べた大好きなはずのハンバーグは悲しいほど味を感じなかった。