白かった世界に徐々に色が着いていく。
目の前に夕日のオレンジ色が眩しく光り、淡いピンク色の花弁が落ちてくる。


ここはいつもの丘だ。ということは……!


桜の木の方を見ると、そこには予想通りキミがいた。近づくとキミがこちらを振り返る。


「………卯月?」


「え……?」


今、喋った…?
今まで夢では喋った事なかったのに。


その声は紛れもなく、ノートを持っていくの手伝ってくれた弥生君の声。


やっぱり夢の中のキミは本当に弥生君だったんだ。