「ほら、さっき突き飛ばされてたじゃん。弥生君ってなんか怖いよね。」


香奈子に言われて、一瞬忘れていた出来事が脳内で自動リプレイされる。


「…あ、うん。」


肯定したものの、私は弥生君ってなんか怖いとは感じないんだよね。夢のせいもあるのかも知れないけど。夢の中では凄く優しい顔してるんだもん。


不思議だけど本当は優しいのに、それを隠してるような、そんな感じがする。


そして昼休み。私は先生に言われた通りに職員室に行った。


「失礼しまーす…。」


職員室に一歩入り担任の先生を探す。
沢山の先生の中で手招きしている人を見つける。私は静かにその先生の所まで歩く。


「卯月。よし、ちゃんと来たな。弥生はまだか…しょうがないな、まったく。」


弥生君もしかして来ない気なの?
まさか、ばっくれ?サボり?