________
それから1年ほど過ぎたある日。
綾と紗英さんが俺の家にやってきた。
紗英さんは俺の母、莉子(リコ)と
話をしていた。
もちろん、俺は綾と
自室で遊んでいた。
1年も会っていなかったぶん、
綾はすごく成長していた。
髪も伸び、性格も落ち着いていた。
「優くん。久しぶり!」
綾はあの頃と変わらない
キラキラした眩しい笑顔で。
俺にたくさん話をしてくれた。
この1年間のこと。
1歩も動けなかった紗英さんに代わって
家事全般をこなしていたこと。
「優くんに会えなくて…寂しかった。」
そう言ってまた会えて嬉しいと
嬉し涙で顔を歪ませながら言ったこと。
俺はクスッと笑って
「おかえり。綾ちゃん。」
そう言った。