しばらく待つと、
建物の中から女の人が走ってきた。


「今開けるから、待ってね」



そう言って彼女は門を開けてくれた。


「はじめまして。

遠山星空(とおやませいら)です。



今日からよろしく!」



俺に向かって、
微笑みながら自己紹介をする彼女。



その時、つい彼女に見つめてしまった。






可愛いとか、一目惚れだとか、

そういう話じゃない。




いや、今思えば見とれてたのか?

...そんなことはどうでもいい。




ただこの時は、

両親が亡くなってから

冷めた目を向けられ続けた俺にとって、




久しぶりに見た、本物の笑顔。






そんな気がした。





「?、、、どうかしましたか?」



「あ、いや、、、

今日からお世話になります大原遥也です。」



「うん。知ってます笑


同い年だから敬語は無しね。」




「あ、うん」




これが俺と彼女の出会いだった。