なんとなく気になって見ると、中には『頓服』と書かれた薬袋が見えた。
あれ、棗くん体調悪かったのかな……。
そういえば、今日出かけるの憂鬱そうだったけど、それに関係がある……?
心配になった私は、聞いてみることにした。
「棗くん、体調が悪いんですか?」
「……え?」
「その、薬ですよね、それ……」
私の言葉に、棗くんは「あぁ」と困ったように笑って、袋を後ろに隠した。
「痛み止め……なんだ、頭痛もちで」
「あっ、そうだったんだ……良かった」
って、良くもないけど、風邪とかだったらどうしようかと思ってたから……。
でも、市販薬とかじゃなくて、処方してもらってるんだ……そんなに酷い頭痛なら、大変だ。
「ストレスとか溜まってるとなりやすいっていいますし……私がいるうちは、たくさん休んで下さいね!」
「あ……ははっ、ありがとう、美羽」
よし、決めた。
今日のお風呂は、入浴剤でも買って棗くんに休んでもらおう。