「違うよ、美羽。俺は、こんな日がずっと続いてほしいって願ってるんだよ」


後ろからギュッと私を抱きしめてくる。

それに、心臓が破裂しそうになった。


「な、棗くん!?」


どうして私のこと抱きしめてくるの!?

棗くん、スキンシップが激しすぎるっ。

棗くん……誰にでもこんなことしてるの?


「美羽、今誰にでもこんなことしてるのかって思った?」

「え……」


ギクリと体を強ばらせれば、棗くんが笑う。

どうやら、私の考えなんて棗くんにはお見通しみたい。


「美羽にだけだ……」


――ドキンッ。

どうしよう、心臓が壊れてしまいそう……。

棗くんと過ごした時間なんて、ほんの数日のはずなのに、どうしてこんなにもこの人が気になるの?


「さ、美羽の美味しそうな朝ごはんを食べさせて」

「あ、はい!」


動揺して声が上ずった。

それに気づくことなく、棗くんは私の作った朝食を嬉しそうに見つめている。