「わぁっ、棗くん!?」

「ふわぁ、おはよう、美羽」


――キュンッ。

欠伸をしながら、まだボーッとしている棗くんに私は胸を打たれる。

なんか、こういう無防備な棗くんは、可愛い。


「美味しそうなごはんの匂いと、美羽の可愛い声が聞こえて、目が覚めたんだ」

「棗くん、もう……お世辞はお腹いっぱいです!」

「ハハッ、お世辞じゃないのに」


そう言って、私の頭を撫でる棗くん。

私の頭を撫でるのが癖なのか、最近は頻度が増していた。

私は、棗くんにこうされるのは嬉しいけど……。

なんだか、照れくさいし、ドキドキしてしまう。


「美羽、あと何回……こんな幸せな朝がくるのかな」

「え……?それは、棗くんが私を傍に置いてくれる限りは、ずっと続くと思います……けど、迷惑ですか??」


棗くんの言葉に、私は不安になる。

居候もいい加減迷惑だな……なんて思われてたらどうしよう。