「美羽……もっと傍にきて」
棗くんは私を抱き寄せる。
そんな棗くんの胸に頭を乗せるように一緒にベッドへ横になった。
――トクンッ、トクンッ。
棗くんの鼓動が聞こえる……。
あぁ、それがこんなにも……私をホッとさせた。
ちゃんと、棗くんは生きてる……。
「美羽は温かい……安心する……」
「棗くん……」
私と同じこと、考えてたんだ。
そう思ったら、もっと安心させたくて、棗くんに身を寄せた。
「……出来るだけ、普通の生活をしたいんだけど……。やっぱり薬を使うと駄目だな……」
「眠気が強いんでしょう?」
「うん、起きてられないんだ……」
棗くんの弱々しい声に、私は不安になる。
棗くんは、今にも消えそうなほど、儚かった。