「美羽が俺のために何かしようとしてくれるのは嬉しいけど……。美羽がいてくれるなら、何でも嬉しい」
「棗くん……」
すごく大切にされてるって、棗くんの言葉から伝わってくる。
愛し、愛されるのって……こんなに幸せなことなんだね。
「それでも何かしたいなら……ウインナー食べさせて?」
「棗くん……ふふっ」
お茶目な言い方に、私は笑ってしまう。
フォークにウインナーを刺して、私は棗くんの口に近づけた。
「棗くんのためなら喜んで!」
「本当に……美羽は可愛すぎる」
棗くんの口調を真似すると、棗くんはウインナーを嬉しそうにパクリと食べた。
こんな幸せな時間をたくさん積み重ねよう。
それで、いつかこの日のことを思い出しても、この人を好きでいて良かったって思えるように……。
「棗くん、私にも卵焼き食べさせてくれると嬉しい……な?」
「ふっ、喜んで、俺のお姫様」
だから、大胆なお願いもたくさんする。
恥ずかしくても、棗くんと愛し合ったこと、この胸に刻みつけたいから……。
こうして、昼休みの短い時間、棗くんとふざけ合いながら楽しい時間を過ごした。