「棗くんっ、好きです……苦しいくらいにっ」


胸が張り裂けそうなほど、焦がれるほどに。

ポロポロと涙が溢れて、棗くんの肩に落ちる。


「俺……気持ちを伝えるなんて絶対に許されないと思ってた。でも……ごめんね、ごめんっ、美羽……どうしようもないくらいに、美羽が好きだっ」


始まったばかりのこの恋は、すぐに終わりを迎える。

それでも……きみを想うことを止められない。

噴水のように無限に溢れてくる、好きって気持ち。

辛くても、こうして通じ合えたことを幸せだとも思うんだ。


「棗くんっ……」

「出来ることなら、美羽のことをずっと守ってあげたかった。俺に、それが許されたのなら……っ」


2人で泣きながら、お互いの存在を確かめるようにくっつく。

私の命を、棗くんに分けられたらいいのに。

生きる時間も、死ぬ時も同じなら……こんなに悲しい思いなんて、しなくて良かったのにっ。