「……私は、棗くんが好き」

「……え……」


棗くんは、突然の告白に目を見開いた。

そして、言葉を失っている。


「もし私が明日、死んでしまうのだとしたらって考えたら……。後悔しないように、この恋を貫きたいって思います」


そう言って、やっと自分の気持ちが分かった気がした。

そう……どんなに悩んでも、私の気持ちは変わらないんだ。

初めから決まっていたし、揺るがない。


「美羽……でもそれは……きっと辛い……。俺は、美羽にそんな思いをさせたくな……」


「私は……っ、辛くても、私がいない所で棗くんが苦しんでいるのが嫌……っ」


繋がれた棗くんの手を強く握りしめた。

涙が滲んで視界が歪む中、必死に棗くんの姿を捉える。



「私が一番辛い時、棗くんが私の傍にいてくれたように、今度は私が傍にいる番……棗くんは?」

「俺……?」

「棗くんは、何を望みますか?棗くんが望むこと、私は全て叶えてあげたいっ」


せめて、私が棗くんにしてあげられること。

それを、全力で叶えることが私のやるべき事のように思えた。