「でも、昴くん、どこに行っちゃったんだろ。梨沙にしか見えないんだとしたら、他に行くところなんてないはずなのに……」


「分かんない……私も、そう思ったのに……」


「学校、とか? でもそんなところに一人で行っても機材とかは触れないんだよね。だったら行ってもしょうがないし……」


紗英が首を傾ける。


そこで、涼くんが口を開いた。


「……一つだけ心当たりがある」


「え?」


「……仁科も分かってるはず。昴が行くかもしれない場所。仁科の傍から離れてまで、あいつが向かおうと考える場所……」


「あ……」


その言葉に、私ははっとなった。


そうだ、その可能性はあった。


どうして忘れてしまっていたんだろう。


昴が、最期にいた場所。


私は顔を上げて、こう口にした。