「え……」


「だから、梨沙と涼が付き合うって言うなら、俺にはそれを止める資格なんてない」


「どうして……」


どうして、そんなことを言うの?


幽霊だけど、昴はここにいる。


確かに、私の目の前で、存在している。


それにあの海の時だって、昴が涼くんを連れてきてくれたから、私は無事に帰ることができた……


「違う」


昴が言った。



「俺は……何もできなかったんだよ」