「あ、あの、涼くん……!?」


「……こうすれば、少しは温かいと思ったから」


「そ、それは、そうかもだけど……!」


 確かに、あったかい。


 涼くんの体温が背中から、伝わってくるみたいだった。


 で、でも、これは恥ずかしいというか何というか……ほ、ほら、昴も見てるし……


 しばらくの間、私たちは無言でそうしていた。


 喋ってしまうと、何かが微妙なバランスが崩れてしまいそうだったから。


 だけどやがて、涼くんが小さく口を開いた。


「……ねえ、仁科」


「ん……?」


 そこで、真っ直ぐに私の目を見ると、




「……好きだ」