「……何でかな。何だか、昴がこっちだって教えてくれているような気がしたんだ」


涼くんがぽつりと言った。


「……」


「……変、だよな。昴はもういないってのに」


「そんなこと」


見上げると、そこには昴がいた。


きっと、昴が涼くんを連れてきてくれたんだ。


どうやったかは分からないけど、きっとそうだと思った。


だって昴は、いつだって私を助けてくれる。


どんな時でも、私の一番ほしい言葉をくれる。


私の……一番星だ。


一年前のあの時も、そうだった。


だから今回も、昴がどうにかしてくれたに違いない。


いまだ寒さで震える身体を自分の手で抱えながら、そう確信していると、


「……寒い?」


涼くんがそう訊いてきた。


「え、あ、うん、少し……」


「……そっか。じゃあ」


「……え?」


思わずそんな声が出た。





涼くんが後ろから、抱きしめてきていた。