「なあ、これ、点けてみてくれよ」


「うん、分かった」


部屋の明かりを落とす。


続いてミニプラネタリウムのスイッチを入れると、見慣れた部屋の中が、瞬く間に夏の夜空へと変わった。


「お、点いた点いた」


「うん、きれい……」


「ちゃんとプレアデス星団も肉眼で見えるな。ほら、あそこ」


昴が指し示す先には、〝すばる〟が鮮やかに光り輝いていた。


「ん、一年経ってもちゃんと普通に動いてるな」


「作るの、けっこう苦労したもんね。間違って〝すばる〟が七個になっちゃったり」


「だな。北斗七星じゃないっつーの」


「でも楽しかった。今年のやつも、作りたかったな……」


思わず口からそう出てしまった。


去年、昴と二人でこれを作った時、すごく楽しかった。


二人で作り方を調べて、ダンボールを切り抜いて、ああだこうだ言い合いながら作った。


来年も、またいっしょに作ろうって約束した。



……それはもう、叶わないのに。