「それは……」


その問いに思わず口をつぐんでしまう。


昴は、一年前に、電車で一時間ほど行った先にある大晴山で亡くなった。


だけど、その詳細は、よく分かっていない。


ただ、私たちの住んでいる街から遠く離れた山の中で、崖から落ちたとのことだ。


どうしてそんなところに昴が行っていたのか、なぜ崖から足を滑らせることになったのか、何も分からなかった。