「もしかして『Starry sky』? お、それ、俺も好きなんだよ」


「あ、そ、そうなんだ」


知ってる。


「ショップで色々試してて、一目惚れしてさ。ん、匂いだから、一鼻惚れ? それからずっとつけてたんだよ」


それも、知ってる。


だって昴がいつもつけている香りだから、少しでも昴を傍に感じていたかったから、買ったんだから。


「ちょっとつけてみてくれよ。俺だと触れないから」


「あ、うん」


言われて、『Starry sky』をひと吹き。


シュッという小さな音とともに、さわやかな夏の空を感じさせる香りが辺りに漂った。


昴の、香りだ。