『よ、梨沙。


誕生日おめでとう。


梨沙がこれを読んでる時、俺は何してるんだろうな?


〝星見台〟でいっしょにこの手紙を見てるのか、そうじゃなきゃ別の場所でなのか。


ま、何にせよ、梨沙の隣でこれを見てることには変わりないと思う。


たぶんもう言ってると思うんだけど……俺は、梨沙のことが好きだ。


これからもずっといっしょにいたいと思ってる。


梨沙も、同じように思ってくれてるといいんだけどな。


やりたいことがたくさんあるんだ。


色んなことを話したいし、いっしょに星も見たい、二人でのんびり旅行とかにも行きたいし、まったり部屋で過ごしたりもしたい。


ちょっと欲張りすぎかもな。


でも一個ずつ、やっていけたらいいなって思ってる。


梨沙と二人なら、どんなことでも楽しいだろうから。


いっしょに入ってたプレゼントは、たぶん俺が自分で説明してると思うんだけど、リングと、星の名前の証明書。


リングの方は、前にもらったチョーカーのお返しも兼ねてってとこか。


そんなに高いものじゃないんだけど、梨沙に似合うと思う。


で、もういっこの方が、メインのプレゼントっていうか。


星に名前をつけてプレゼントするなんて、ちょっとキザだけど、そういうのがあることを知ってから絶対に梨沙に贈りたいって決めてた。



『Dearest』



俺にとっての、梨沙のことだ。


だからあの星は、〝すばる〟のすぐ近くにあるあの星は、梨沙そのものなんだよ。


意味は……まあ、恥ずかしいから、自分で調べてくれよな。




とまあ、色々書いたけど。


最後に、もう一回だけ。


俺は、梨沙のことが好きだ。


ずっと梨沙の隣で、


ずっといっしょに、並んで歩いていけたらと思ってる。


空に星が輝く限り。


〝すばる〟と『Dearest』が寄り添い続ける限り。


俺は梨沙の傍で、梨沙の笑顔を守り続けるからな――』