そして今日も、私は一人屋上で、星を見上げている。


空には蒼く光る六つの星――〝すばる〟が輝いていた。


『夏の願い星』じゃない。


もう肉眼でも〝すばる〟が見える季節がやって来たのだ。


少しだけ涼しい秋風を感じながら、手にしていたものに目を落とす。


あの時、埋められていた箱に入っていたもう一つのもの。


それは……『Dearest for risa』と書かれた証明書だった。


――星に、名前を付けることができるのだという。


あとになって涼くんから聞かされたんだけれど、そういう手続きを行ってくれる会社があるらしい。


それを利用して、昴は私に星を贈ってくれた。


〝すばる〟の隣の席を用意してくれた。


そっと空を見上げる。


昴が私にプレゼントしてくれた星。


空に輝く〝すばる〟の傍にあって、まるで互いに惹かれ合うように光っている小さな星が、それだった。



『Dearest』



英語で、『最愛の人』という意味を冠したその星は、辺りを包みこむように淡く輝いていた。


あの時、今年のミニプラネタリウムの設計図を見ていた時に、印がつけられていたのは、この星だったんだって、これもあとから知った。


そしてもう一つ。


『Dearest』の証明書の下に、添えられるようにして手紙が入っていた。


昴が『Dearest』とともに残してくれた、一通の手紙。



そこには、こう書かれていた。