「――つまり俺は、幽霊ってことか」



私の説明に、昴は深々とうなずいた。



「たぶん、よくは分かんないけど……」


「ん、いや、きっとそうだろ。何かそんな気がする」



昴が首もとのチョーカーを揺らしながら、納得したようにそう口にする。


いきなり現れたこの昴が何なのかは分からない。


幽霊なんて信じていないけれど、あるはずはないんだけど、でも今のこの状態を、幽霊と形容する以外の言葉を私は知らなかった。