思えば死を意識するようになったのはいつからだろう。


昴が亡くなって、一人残されてしまって、私はずっと心のどこかで空虚なものを抱えていた。


紗英たちと、涼くんたちと過ごす日々は楽しかった。


だけど何かが足りない気がした。


嵐のようだった夏が過ぎ去って空を見上げる度……六つの蒼く輝く星を見付けて、それが何であるのかを確認して、悲しくなった。


もう一度昴に会いたい。


会って、いっしょに夏の星空を見上げて、そのままずっといっしょにいたい。


来る日も来る日も、考えることはそればかりだった。


そして――昴の幽霊が現れた。


その存在は、私の願いを叶えてくれる福音のように思えた。


きっと昴は、私を迎えに来るために、幽霊として現れてくれたんだ。


もうためらいはなかった。


昴がいなくなった日に……その命日に、私も幽霊になって、昴とずっといっしょにいる。



その場所には、この大晴山は、〝星見台〟は、うってつけだと思えたのに。