〝星見台〟までの道のりは、思っていたよりも険しいものだった。
初めのうちは整備された登山道があったのだけれど、途中からは地面が踏みならされただけの山道に変わった。
山道の右手側には急な斜面が広がり、足を滑らせたら一気に滑り落ちてしまいそうだ。
そこで気付く。
そうだ、昴はこの山のどこかで、崖から落ちて命を落としたんだ。
すっと背中が冷たくなるような感じがした。
そう考えると、腐葉土で埋め尽くされた斜面が、何だか深い闇へと続いていく路のように見えた。
「……っ」
ぶんぶんと頭を振る。
〝星見台〟までは、歩いて一時間くらいの距離だって涼くんが教えてくれた。
時間はもう七時を過ぎていて、辺りはもうだいぶ暗くなり始めていたため、持ってきた懐中電灯の光を頼りに進んでいく。
「う、真っ暗だよ。ほんとに、ここって道なん?」
「……たぶん。僕も、来るのは初めてだから分からないけれど」
「熊とか出てこないよね……?」
紗英が不安そうに周りを見る。
その時だった。
遥か遠くの木々の間に、白い影が見えた。
暗闇の中で白く浮かびあがるシャツ。
あれは……昴が着ていた制服だ。
初めのうちは整備された登山道があったのだけれど、途中からは地面が踏みならされただけの山道に変わった。
山道の右手側には急な斜面が広がり、足を滑らせたら一気に滑り落ちてしまいそうだ。
そこで気付く。
そうだ、昴はこの山のどこかで、崖から落ちて命を落としたんだ。
すっと背中が冷たくなるような感じがした。
そう考えると、腐葉土で埋め尽くされた斜面が、何だか深い闇へと続いていく路のように見えた。
「……っ」
ぶんぶんと頭を振る。
〝星見台〟までは、歩いて一時間くらいの距離だって涼くんが教えてくれた。
時間はもう七時を過ぎていて、辺りはもうだいぶ暗くなり始めていたため、持ってきた懐中電灯の光を頼りに進んでいく。
「う、真っ暗だよ。ほんとに、ここって道なん?」
「……たぶん。僕も、来るのは初めてだから分からないけれど」
「熊とか出てこないよね……?」
紗英が不安そうに周りを見る。
その時だった。
遥か遠くの木々の間に、白い影が見えた。
暗闇の中で白く浮かびあがるシャツ。
あれは……昴が着ていた制服だ。