その日からだった。


彼女のことを、目で追うことが多くなった。


それはもともと、少し気にかかっていたということもあったけれど、その日以来、彼女のことを目で探す回数が明らかに増えた。


この気持ちは何なんだろう。


もやもやとした、彼女がどこにいるのかつい探してしまうこの感情は。


分からなかった。


違う。本当はうすうす分かっていたけど、それに向き合うことを避けていただけだ。


僕は自分の気持ちから逃げていた。