最初に彼女を見た時の印象は、仔犬みたいだな、というものだった。


背も小さくて、何だかきょろきょろとしていて、小動物のようなイメージ。


話してみても、その印象は変わらなかった。


とにかく表情がよく変わる。


それだけじゃなくて、思っていることがそのまま顔に出る。


あんまりにもストレートすぎて、思わず笑ってしまった。


何ていうか、分かりやすすぎる。


ただ、いい子なんだろうなということは、少し喋っただけでも分かった。


だから彼女が昴のことを好きなんだろうな、と分かっても、ぜんぜん嫌じゃなかった。


むしろ、うまくいくように心の中で応援していた。


昴は、ああ見えて奥手というか、あまり女子に慣れていない。


そういうところもまた女心を惹き付けるんだと、姉貴は言っていたけれど、でももう少しくらいは積極的になってもいいと思う。


昴もまた、彼女に恋しているのは見て丸わかりだったから。