やがて紗英と涼くんもやって来て、屋台をを回ることになった。


「ごめんね、待たせて。さ、いこいこ!」


「……悪い」


四人で、屋台で賑わう神社へと足を踏み入れる。


「梨沙って、お祭りの屋台で一番何が好き?」


昴が訊いてきた。


「え、何だろ。綿菓子もいいし、リンゴ飴もいいし、かき氷もいいし……」


「食べ物ばっかだな」


「え? あ……」


言われてみればその通りだ。


なんか恥ずかしい……


「梨沙らしくていーんじゃね。じゃあ綿菓子買いにいこうぜ」


神社はたくさんの人で混み合っていた。


奥に行けば行くほど人でいっぱいで、歩くのさえままならない。


「う、すごい人だねぇ」


紗英が声を上げる。


「これじゃあ迷子になっちゃいそう。気を付けないと」


そう紗英が言った、次の瞬間だった。